【連載】2021年航空法改正後のドローン・ビジネス法務-第5回:配送ビジネスに及ぼす影響

 はじめに

『連載:2021年航空法改正によるドローン・ビジネス法務』の第1回・第2回では,航空法の改正により,飛行リスクに応じたカテゴリーが3つに分類されることや各カテゴリーごとの飛行条件について解説しました。

第3回以降は,航空法改正がドローンビジネスに与える影響について,具体的なビジネスモデルごとに解説をしています。

令和4年12月5日に満を持して改正航空法が施行されたことで,いよいよ「目視外飛行」及び「有人地帯」での飛行が可能となりました。
各運送業者等も改正航空法の施行に伴い,まずは山間部等の無人地帯において,ドローンによる食品運送などに試験的に取り組んでいます。

そこで今回は,改正航空法のポイントを改めて説明した上で,いわゆる「レベル4」と呼ばれるドローン飛行について解説します。

 改正航空法の概要

2021年の航空法改正の概要は,以下の2点です。

① 飛行により他人に危害を及ぼすリスクの程度に応じて「カテゴリー」を3つに区分し,機体安全性確保・操縦者の技能確保・安全体制の確保の3つの視点から各カテゴリーに規制を設けた
② これまで個別の飛行について国土交通大臣の許可・承認を要していたところを,「機体認証制度」と「操縦ライセンス制度」等を設けて個別の手続を一部省略できるようにした

今回は,ニュース等で話題になっている「レベル4」と,本連載で説明してきた「カテゴリー」(改正法の概要①)の関係性について説明します。

■ レベル4とは?~カテゴリーⅠとの関係性~

● 3つのカテゴリー

改正航空法では,ドローン飛行により他人に危害を及ぼすリスクに応じて,カテゴリー区分されています。

各カテゴリーは,①「特定飛行」にが該当するか否か②第三者の立入管理措置が講じられているか否か(第三者の上空を飛行するか否か)という観点から,リスクの高いものから順に,Ⅲ・Ⅱ・Ⅰと3つのカテゴリーに区分されます。

”特定飛行”に当たるか否か 立入管理措置がなされているか否か
カテゴリーⅢ
特定飛行である
立入管理措置なし
(第三者の上空を飛行)
カテゴリーⅡ
特定飛行である
立入管理措置あり
カテゴリーⅠ ×
特定飛行でない

カテゴリーⅢとⅡは,いずれも「特定飛行」に該当しますが,立入管理措置(第三者が飛行経路周辺に立入らないように講じられる措置)が講じられているか否かの点で異なります。
立入管理措置が講じられないカテゴリーⅢでは,第三者の上空を飛行することが想定されるため,第三者の身体や所有物に危害を及ぼすリスクが最も高い類型となります。

●「特定飛行」の意味

カテゴリーⅢとⅡは,いずれも「特定飛行」の場合です。

「特定飛行」とは以下のような飛行を指し,特定の「空域」や「飛行方法」によるドローン飛行のことで,以下に図示した領域あるいは方法による飛行を指します。

●「レベル4」とは

ニュースなどで取り上げられている「レベル4」の飛行方法とは,具体的には,「有人地帯での目視外飛行」とされています。

「有人地帯」とはドローン操縦者以外の第三者の立入が想定される地域での飛行を指します。
また,「目視外飛行」とは,上述した”特定飛行”に含まれる飛行方法です。

これは,本連載で説明してきたカテゴリーで分類するならば,①特定飛行にあたり,かつ,②第三者の上空を飛行する場合であり,「カテゴリーⅢ」に該当することとなります。

つまり,いわゆる「レベル4」(有人地帯での目視外飛行)とは,カテゴリーⅢに分類される飛行方法であるということになります。

 まとめ

”改正航空法”が令和4年12月5日に施行されたことに伴い,早くも「レベル4」というワードをよく目にするのではないでしょうか。

本連載では,改正航空法を正確に理解するため,経済産業省と国土交通省が合同で開催する「無人航空機の目視外及び第三者上空等での飛行に関する検討会」で用いられてきた「カテゴリー」という概念を前提に説明をしてきました。

今回の記事をお読みいただき,いわゆり「レベル4」が「カテゴリーⅢ」に該当するということをご理解いただけたと思います。

なお,カテゴリーⅢで要求される「運行ルール」については,経済産業省と国土交通省が合同で開催する「無人航空機の目視外及び第三者上空等での飛行に関する検討会」で「リスク評価ガイドライン」が公表され次第,この点に関する解説を行う予定です。


執筆者: 弁護士 内藤皓太

関連記事

  1. 【連載】2021年航空法改正後のドローン・ビジネス法務

  2. 【連載】2021年航空法改正後のドローン・ビジネス法務-第3回:イベン…

  3. 【連載】2021年航空法改正後のドローン・ビジネス法務-第4回:ドロー…

  4. 【連載】2021年航空法改正後のドローン・ビジネス法務-第6回:農薬散…

  5. 【連載】2021年航空法改正後のドローン・ビジネス法務-第2回:カテゴ…

最近の記事

カテゴリー