【連載】2021年航空法改正後のドローン・ビジネス法務-第4回:ドローンによる測量ビジネスに及ぼす影響

■ はじめに

『連載:2021年航空法改正によるドローン・ビジネス法務』の第1回,第2回では,航空法の改正により,飛行リスクに応じたカテゴリーが3つに分類されることや各カテゴリーで要求される飛行条件として,「操縦ライセンス」等について解説してきました。

第4回となる本記事では,航空法改正がドローンによる測量ビジネスに及ぼす影響について解説します。

■ ドローンによる測量業務

近年,建設現場における人手不足の対策,生産性向上といった観点から,現地測量や土量測量にドローンが利活用されるようになりました。

また,今年1月には建築基準法の施行規則の一部が改正され,建築物の提起調査報告における調査方法として,ドローンによる赤外線調査が明記されるなど,建築業界における各業務は,ドローンの利活用によりが目覚ましいほどの発展を遂げています。

そこで,ドローンによる現地測量を例に,2021年航空法改正が測量ビジネスに及ぼし得る影響について簡単に説明します。

●現行法での規制

ドローンを利用した測量が実施される現場として,さまざまなケースが考えられれます。

都心部で高層ビルを建築する場合には,人口集中地区(DID)の飛行を余儀なくされることでしょうし,近隣の建築物から30mも離れていない場所を飛行させなければならないかもしれません。

他方で,ダムや橋などを建設する現場といえば山岳地帯も想定されるところで,場合によっては,木々や山々などでドローンをも目視確認できない状態で飛行させなければなりません。

このように,人口集中地区にあたる空域でドローンを飛行させたり,目視確認できない方法で飛行させたりする場合,現行法では,個別に事前の承認を得なければなりません。

参考コラム「【連載】2021年航空法改正後のドローン・ビジネス法務-第2回:カテゴリーⅡの飛行規制」

●改正法による規制緩和

ところが,2021年航空法改正により,DID区域の飛行や目視外飛行等といった限定された特定飛行の場合には,第三者の立入管理を施すこと及び機体認証・操縦ライセンスを取得しておくことで,飛行毎の承認が不要となります。
この場合に要求されるライセンスは,機体認証・操縦技能ともに「2等以上」で足ります。

このような規制緩和の影響で,測量や外壁調査を外部委託してきた業者にとって,より迅速に業務を進められることに加え,承認手続に要する手数料が不要になるなど経済的なメリットがあるように思われます。

なお,建設現場によっては,第三者の立入管理を施した場合でも,第三者の上空を飛行させる可能性が完全になくならないケースもあります。この場合の飛行リスクの程度は,カテゴリーⅢに属することになります。

この場合には,機体認証・操縦技能ともに「1等」が求められます。

参考コラム「【連載】2021年航空法改正後のドローン・ビジネス法務」

■ まとめ

2021年航空法改正により,一定の条件を充たせば,建設現場における測量・調査の度に国の承認を得る必要がなくなった。
※ただし,ライセンスを保有していなければならないものではなく,従前どおり,飛行毎の承認を得てドローンを飛行させることは当然に可能です。

なお,測量について別途測量法の規制も対象となりますが,航空法改正による影響に焦点を当てる趣旨から割愛しております。

 


執筆者: 弁護士 内藤皓太

 

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