【連載第1回】集団投資スキーム(いわゆる「ファンド」)に関する法規制の概説

 

1 はじめに

この連載では、集団投資スキーム(いわゆる「ファンド」。以下「ファンド」といいます。)に関する法規制の概要について解説を行います。

2 そもそもファンドとは何か

ファンドとは、出資者から金銭等を集めて、その集めた金銭等で事業や投資を行い、行った事業や投資によって得た利益を出資者に分配するような仕組みのことです。

ざっくりと説明すると、

「①お金を集めて、②運用し、③お金を出してくれた人に配当する」

ことを「ファンド」と呼ぶということです。

そして、ファンドに関する権利を「ファンド持分」や「集団投資スキーム持分」といいます。

3 ファンド持分に該当するとどうなるのか

ファンド持分は、金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)上の「有価証券」とみなされます(金商法2条2項5号)。※有価証券と「みなす」とは、有価証券と「同じ扱いをする」という意味だと思ってください。そして、金商法2条2項で有価証券とみなされることになる権利のことを「第二項有価証券」や「みなし有価証券」といいます(金商法上は、「第二項有価証券」といいますが、以下では、「みなし有価証券」として統一します。)。

そして、みなし有価証券の「募集又は私募」(対象とする人数が募集と私募で異なりますが、両方とも「勧誘」の意味で捉えてください。)は、「金融商品取引業」に該当します(同条8項7号ヘ)。

先に述べた通り、「ファンド持分=有価証券」です。そのため、ファンド持分への勧誘をする行為は、有価証券の募集として「金融商品取引業」に該当することになります

そして、金融商品取引業のうち、ファンド持分を販売・勧誘する行為を業として行う場合、「第二種金融商品取引業」に該当する(金商法28条2項2号)とされています。

すなわち、「①お金を集めて、②運用し、③お金を出してくれた人に配当する」行為の勧誘を業として行う場合、「第二種金融商品取引業」に該当することになります。

4 では、第二種金融商品取引業を行う場合、何が必要になるのか

「第二種金融商品取引業」に該当する行為は、金商法上の規制を受けることになります。

では、どのような規制を受けることになるのでしょうか。

これについては、次回以降で、ご説明いたします。

 

 

 

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